スポーツで上達するのに最も必要な能力。
それは、「再現力」です。
「トップアスリートの動きを再現できる」
「トレーナーに受けた指導を再現できる」
「自分の理想のフォームを再現できる」
それができれば、上達するのは難しくないからです。
■再現力に必要なもの
再現力は、イメージ力とボディコントロール能力で決まります。
つまり、『再現力=イメージ力×ボディコントロール能力』となるわけです。
トップアスリートの動き、トレーナーに指導を受けた動き、自分の理想のフォーム。
それらの動きをイメージできなければ、再現することはできません。
でも、イメージができたとしても…。
そのイメージ通りに動くことは難しいもの。
実際、イメージ通りにカラダを動かすことは簡単なことではありません。
スポーツをしている人なら、自分がイメージしている動きと、実際の動きが違う…ということに悩んだ経験は誰だってしたことがあるもの。
しかし、それは、特別なことでもないし、あなたがスポーツに向いていないということでもないのです。
■トップアスリートでもボディコントロールは難しい
スポーツニュースなどで、スランプになった選手の、全盛の頃のフォームと現在のフォームを比較して、コメンテーターが、どの部分の動きが違っているのかを解説するシーンを見たことがあると思います。
そんなことをTVで指摘されなくても、選手もトレーナーやコーチも知っている。
でも、全盛の頃の動きはイメージできても、その通りにカラダを動かすことができない。
そもそも、イメージ通りに動かすことができなくて、間違えた動きを続けているうちに、その動きが癖になってスランプになってしまっている。
トップアスリートでも、ボディコントロールは簡単ではないのですから、そうでない人ができなかったとしても当然なのです。
■ボディコントロール能力が高いと
タレントの武井壮さんは、ご存知のように、十種競技元日本チャンピオンでもあります。
しかも、競技歴2年半で優勝しただけでなく、100m走ベスト記録の10秒54は2015年まで、十種競技の100m日本最高記録でした。(1997年第81回日本陸上競技選手権大会十種競技で優勝)
この武井壮さん、現役の頃、十種競技の全ての競技の練習はしていなかったそうです。
少しだけ、十種競技の説明をしておくと…。
十種競技とは2日間で合計10種目を行い、各記録を得点に換算し、その合計得点を競うものです。
一般的に、1日目には100メートル、走幅跳、砲丸投、走高跳、400メートルの5種目。
2日目に、110メートルハードル、円盤投、棒高跳、やり投、1500メートルの5種目が行われます。
同じ陸上競技に分類されているものの、短距離、中長距離、跳躍、投擲(とうてき)では使う筋肉はもちろん、トレーニング方法が大きく異なります。
そこで、武井壮さんは、全ての競技の練習をするのではなく、いくつかの競技の練習をすることで必要な筋力をつけ、後は、試合前にそれぞれの競技の記録保持者の動画を見て動きを覚え、それをイメージして動くことで、優勝したのだそうです。
恐るべき、ボディコントロール能力ですね。
ボディコントロール能力が低ければ、トップアスリートのような身体能力が高い人でも、スランプになる。逆に、高ければ、短期間で記録を更新できるレベルで上達できるのが、ボディコントロール能力なのです。