スポーツだけでなく、ビジネスも、人生も、選択の連続であり、何を選択するのかで結果が決まります。
もし、現在、思うような結果が出ていなかったとしても、悩む必要はありません。
現在の状況や課題は、過去の選択の結果にすぎませんから、選択を変えれば、今と違う結果になるからです。
■感情と選択
私たちは、1日の中で非常に多くのことを、選択・決断しています。
ケンブリッジ大学Barbara Sahakian教授の研究によると、人は1日に最大3万5,000回の選択をしているのだとか。
3万5,000回といわれても、いまいち現実が湧かないと思いますが、私たちは、日常のなかで無意識に数多くの選択を下しているのです。
研究結果の一部を紹介すると…。
✔人が1日に使用する単語の数は、無意識に取捨選択された約1万6,000語(アリゾナ大学とテキサス大学の合同研究)
✔食べるもの・場所といった食事に関する事柄だけでも、人間は1日に2,267回の決断をしている(コーネル大学のJeffery Sobal教授らの調査)
✔車を1マイル(1.7km)運転するにつき、200を超える決断をしている(米国労働安全衛生局の報告)
このように、私たちは、言語、食事、交通といった事柄だけでも、1日で平均2万回以上も選択をしているのだとか。
Sahakian氏によると、これに、歩く・座るといった、体をどう動かすかについての決断や、会社や自宅で行なっている決断まで全て含めると、3万5,000回に及ぶというのです。
これらのたくさんの選択や決断を行うために、人間の脳は、まず、感情で情報の下処理をし、その後、理論的に選択をする構造になっています。
例えば、気の置けない人と会話をする際、言葉を一つずつ考え、選びながら喋るなんてことはないでしょう。
また、食事を選択する際も、何を食べたいのかという感情で大枠を決めているのです。
しかし、上達や記録、選手生命に大きな影響を与える練習方法を選択する際は、感情で下処理をしてはダメ。
感情で選んで失敗した経験は誰にでもあるものですが、感情的な選択で、ベターな選択ができることは、ほぼないからです。
ベターな選択をするには、「基準を持つ」ことと、「情報を集める」ことの2つが大切になります。
目標や目的を実現するのに必要なものが「基準」で、この基準に沿って選択肢についての「情報」を集め、最も実現性が高い選択肢を選ぶことで、ベターな選択することができるのです。
■悩む必要はない
一度、選択をしたら、選択した方法を実行するだけ。
途中で、「本当にこの方法で良かったんだろうか?」と、結果に迷ったり悩んだりする必要はありません。
何故なら…。
選択したもので未来が決まる…ということは、選択した瞬間に未来は確定しているからです。
私たちにできるのは、自分の選択を信じて、実行することを続けることだけ。だから、実行することに全エネルギーをつぎ込むのです。
それで、思うような結果が出なくても、自分に資格が無いわけでも、実力が無いわけでもありません。単に、ベターな選択ができていなかったに過ぎないのです。
目標や抱えている課題によって期間は異なりますが、1~3ヶ月もすれば、ベターな選択ができていれば、カラダの変化や手ごたえのようなものを感じることができるでしょう。
ですから、それくらいの期間で一度振り返り、もし、変化や手ごたえを感じることができていなければ、もう一度、選択をし直せばいい。ただ、それだけのことなのです。