人生でもビジネスでも、スポーツでも、感情やイメージで判断や選択をしていてはベターな選択はできません。
トップアスリートのように、「自分に必要な練習をチョイスする能力」を高めるには、「ポテンシャルが低い原因」、「ポテンシャルを引出せていない原因」を洗い出し、それを解消する練習を選ぶこと。
そのためには、まず、『カラダのポテンシャルとは何か?』について知る必要があります。
■パフォーマンスを決めるもの
人間の限らず、運動するモノのパフォーマンスレベルは、「構造」「機能」「性能」の3つで決まります。
構造とは、全体を成り立たせている組立てのこと。
機能とは、備わっている働きのこと。
そして、性能とは、機能の程度を数値化したもので、能力ともいいます。
この中の、ポテンシャルを決めているのは、構造と機能。
例えば、クルマにおけるパフォーマンスとは、走行性と安全性です。
クルマの「構造」は、ボディ、エンジン、ドライブレイン、サスペンションとタイヤでできています。
ドライブレインが歪んでいると、エンジンの出力をスムーズにタイヤに伝えることはできませんし、ボディが歪んでいると衝突時の衝撃をうまく吸収できなくなる…と言った具合に、正しい構造でなければ、走行性や安全性は低下します。
また、正しい構造であったとしても、エンジンや、ドライブレイン、サスペンションなど各パーツが正常に「機能」していなければ、走行性や安全性は低下します。
このように、構造と機能は、クルマのパフォーマンスの土台となるもので、この2つを合わせたものが、その「クルマのポテンシャル」なのです。
この構造と構造の土台の上に、チューニングをしたり、パーツをより高性能なものに取り換えたりなどをすることで、走行性や安全性の「性能」を高めることができます。
性能を高めることで、ポテンシャルを更に向上させ、その能力を引き出すことができるようになります。
性能は、構造と機能の土台に成り立っているので、構造か機能、もしくは、その両方に問題がある場合、性能を高める取組をしても、それほどパフォーマンスを向上させることはできないのです。
■パフォーマンスを高める取り組み
人間の動きのパフォーマンスも、構造、機能、性能で決まります。
「構造」は、骨格の構造で、「機能」は、筋肉や関節、神経の機能。
この構造と機能が、その人のカラダのポテンシャルで、この2つを正常にすることでポテンシャルは高まります。
その上で、筋肉や関節、神経の「性能」を高めていくことで、更にポテンシャルを高め、それを引出すことができるのです。
さて…。
自分の練習を振り返ってみてください。
その練習は、ポテンシャルを高めるものですか?
それとも、ポテンシャルを更に高め、引出すものでしょうか?
もっと言うなら…。
現在の課題は、ポテンシャルに問題があるのでしょうか?
それとも、ポテンシャルを引出せていないことに問題があるのでしょうか?
それが理解できずに練習を選んでいるとしたら、ベターな練習を選択できておらず、見当はずれの練習に時間を費やしてしまっているかもしれません。