人間の体の動きは、骨格を筋肉が支え、関節を動かすことで作られています。
動きのパフォーマンスで言うと、『機能』とは、筋肉と関節、そして、筋肉を動かしている神経の働きになります。
機能は、構造と共に、カラダのポテンシャルを決める重要な要素で、筋肉、関節、神経が正常に働いていないと、いくらトレーニングを行っても、動きのパフォーマンスを向上させることはできないのです。
■筋肉と骨格構造
筋肉と骨格構造は、互いに影響を与え合う相関関係にあります。
姿勢が崩れる(正常ではない骨格構造になる)と、それを支えるために筋肉群は緊張します。そして、この緊張状態が続くと、血の巡りは悪くなり、酸素や栄養素の供給や、老廃物の排出がうまくできなくなり筋肉群が硬直します。
ちなみに、筋肉群が硬直すると、更に血行が滞るといった悪循環になることが多く、筋肉は弛緩しづらくなります。
筋肉群が硬直すると、骨格構造は崩れたままの状態で固定化されます。
身近な例で言うと、スマホやパソコンをのぞき込むような姿勢が続くことで起こるストレートネックや肩こりや猫背などは、頭部の重さを支えるために、首や背中上部の筋肉群が硬直することが原因です。
【首の角度と、首や背中の筋肉群にかかる負荷】
それから、筋肉群の硬直は連鎖を起こします。
例えば、猫背になると、バランスを取るために、腰をそらす姿勢をとるようになります。この状態が続くと、今度は腰回りの筋肉群が硬直を起こし、反り腰になると言った具合に硬直は連鎖していくのです。
■筋肉群硬直のリスク
筋肉は、収縮と弛緩をすることで、骨格を動かしています。
筋肉群が硬直を起こすと、パフォーマンスに様々な悪影響を及ぼします
1.筋肉の機能低下
硬直を起こした筋肉群は、収縮したままで弛緩しにくくなり、筋肉としての機能自体が低下し、動かしづらくなります。
2.連動性の低下
人間のカラダの動きは、複数の筋肉群が連動することで作り出されています。
どこかの筋肉群が硬直を起こすと、この連動が上手く行かなくなり、動かしづらいカラダになります。
3.関節の機能低下
筋肉群がしなやかに伸び縮みしなくなり、動かしづらいカラダになると、関節の曲げ伸ばしがしっかり行われなくなります。
関節があまり動かされない状態が続くと、関節包(関節を包んでいる筋)を含む軟部組織は固まる性質があり、その結果、関節が滑らかに動かなくなります。
4.神経の機能低下
筋肉が収縮した状態が続けるには、その筋肉を収縮させる神経が働き続ける必要があります。筋肉が硬直するほど働き続けることで、神経は過緊張状態になり、正常に働きづらくなります。
また、特定の筋肉の緊張状態(交感神経優位)が続くと、血流量の低下、倦怠感、不眠など、様々な悪影響をカラダに引き起こします。
このように、姿勢(骨格構造)が崩れることを引き金に、筋肉、関節、神経の機能が低下し、ポテンシャルは低下してしまうのです。